キノシタホールの閉館は、映画ファンにとってとても残念です。
最近、古くからある映画館が続々と閉館しています。
時代の流れとは言え、少し寂しさを覚えてしまうことも確かです。
映画館で映画を見るという体験は、少しずつ価値が下がっているのかもしれません。
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キノシタホールの歴史について
キノシタホールは1986年に開館しました。
キノシタホールのルーツをたどっていくと、故・木下茂三郎が自社制作の映画を上映するために作られた映画館にまでさかのぼります。
そのときの上映は「生きてるうちが花なのよ 死んだらそれまでよ党宣言」でした。
それから33年、キノシタホールは独特なラインナップの編成で、映画上映を続けてきました。
引用:キノシタホールHPより
キノシタホールは、桜通りの交差点に位置しています。
外観が非常に美しく、夜のライトアップされたときは、建物全体が非常に映えます。
引用:キノシタホールHPより
大手のシネコンが隆盛を極める中で、独特な雰囲気を保っていました。
こういった映画館がなくなってしまうのは、とても残念でなりません。
キノシタホールが閉館した理由は?
キノシタホールの閉館について、はっきりとした理由は分かりません。
キノシタホールのHPには、諸事情によりといったことしか書かれていないのです。
映画館はあまり儲かっていないと思うので、何かしらの経営判断が下されたのか、本業が少し厳しくなってきたのか、詳しいことは何も分かりません。
いずれにせよ映画好きとしては、とても残念なことです。
19年4月26日、キノシタホールは惜しまれがら閉館しました。
最後の上映は、シャーロット・ランブリング主演の「ともしび」でした。
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キノシタホールの口コミ、評判について
ツイッターには、キノシタホールの閉館を残念がる口コミが多数寄せられています。
大須シネマ開館やミリオン座の移転などの話題がありましたが、今日キノシタホールは閉館です。店から徒歩15分の一番近い映画館。秀作を上映する二番館、ここがあったからスクリーンで見れたのも沢山。急に決まった感じだったので意図はないと思うけど最後の映画は「ともしび」、なんだか切ない
— ギャラリーカフェテオ (@cafetheogallery) April 26, 2019
今池のキノシタホール閉館が
悲しくてやりきれないです。
たくさんお世話になりました。https://t.co/FVtcw1hRMs— どじょう (@dojoudojou) February 27, 2019
僕の最高の映画体験のひとつ。
キノシタホールで『パリ・テキサス』を観た。
平日の昼だったからか僕を入れて観客が二人。
すばらしい時間でした。ありがとうございました。— モノコト osumonokoto 大須 (@osumonokoto) February 16, 2019
名古屋のミニシアターといえば、シネマテーク、シネマスコーレ、名演小劇場、伏見ミリオン座、キノシタホール、我ら、三河に住んでいる者には刈谷日劇です!😄
— えびさん (@WfcXkvmTvxGPL3H) January 4, 2019
今池のキノシタホール4月で閉館なのか!?
森崎東監督の『生きてるうちが花なのよ死んだらそれまでよ党宣言』を上映するためにつくられた劇場なんだって
この映画は名古屋~福井が舞台で
80年代に原発ジプシー(被爆請け負い労働者)や外国人労働者の闇を鋭く描いてた作品最期に掛けて欲しい
今こそ— ハリィ☮️ (@camolouharrybon) February 16, 2019
わたしのキノシタホールの思い出
わたしはキノシタホールとすごく縁深かったわけではありません。
転勤で愛知県の岡崎に住むようになり、休日はよく名古屋に出向いていました。
映画好きのわたしは、シネマスコーレや伏見ミリオン座、などによく足を運んでいました。
名古屋は意外とミニシアターが多く、個性的な映画館が揃っていました。
そういった流れから、キノシタホールにも一度足を運んだことがあったのです。
地下鉄で今池駅を降りて、そこから徒歩およそ10分。
そのとき観たのは、吉田大八監督の「美しい星」という映画でした。
リリー・フランキーや橋本愛が出演していました。
このときの観客は、わたしともうひとり年配の女性の2人だけでした。
ほとんど独り占めに近い状態で、映画を観たのを記憶しています。
映画はいろんな意味でぶっ飛んでいて、割と楽しむことができました。
こういったことから、キノシタホールは割と楽しかった印象があるのです。
映画館の閉館に思うこと
映画が娯楽の王様だったのは、はるか昔のことです。
テレビがなかった時代、映画館でニュースなどを放映していました。
いまは娯楽が多様化して、有料動画配信サービスなども台頭しています。
映画館に足を運んで映画を見る、ということが廃れて行くのも無理はありません。
ただ伏見ミリオン座は、スクリーン数を増やすなどの動きも見られます。
伏見ミリオン座は、わたしが名古屋にいたころにもっとも足を運んだ映画館で、立地や雰囲気、映画のセレクト、おしゃれなカフェなど、とても魅力がありました。
伏見ミリオン座で観た、フランソワ・オゾン監督の『婚約者の友人』という映画は、とても素晴らしい体験だったのをよく覚えています。
わたしは名古屋に行ったときは、いつも伏見ミリオン座が気になっています。
面白いことをずっと続けていれば、必ずファンはついてくると思うのです。
映画館の経営はとても厳しくて大変だと思いますが、こういった映画館が増えて欲しいと願っています。
キノシタホールさん、33年間良質な映画を届けてくれて本当にありがとうございました。