メキシコの問題児、ネリがまたやらかしてくれた。
前日の計量で、0.2kg体重のオーバー。その後の再計量で無事にパスしたが、ただでさえ疑惑をかけてられているのに、この期に及んでまた体重オーバーをしでかすのだから、まともな神経でないことは明らかである。
山中のことがあって以来、日本人にとってすっかりヒールとして知られるようになった。
ルールに厳格な日本人によって、ネリの所業は決して許せるものではない。
本来なら厳しい制裁が課されるはずなのに、いまは普通に振る舞って試合をしている。
外国人同士のノンタイトル戦で、これほど注目を浴びる1戦はあまりない。
ネリに注目が集まるけれど、パヤノも前回井上と戦って、多くの日本人に知られている。
WBAのスーパー王者に君臨していた、実力者である。
ネリを叩きのめして欲しい、そんな声でネットでは大いに盛り上がっている。
ネリは一度振り回すと、どんどんとギアが上がって、手を付けられなくなる。
いろいろと疑惑はかけられているけれど、強いことは確かである。
ただ、薬の影響が残っていてパワーが落ちていないとか、グレーなウワサがいろいろと付きまとっているから、あまり本気で捉えるべきではないとも思う。
わたしの予想は、前半の早期決着ならばネリ、後半勝負ならばパヤノである。
試合の結果は、9回にネリが放ったボディにより、パヤノが倒れる。
苦悶の表情を浮かべるパヤノが立つことができず試合は終わる。
それほどの会心のボディだったのか?あんなに効くものなのか?
パヤノの古傷を捉えたとする向きがある一方で、グローブに何かあるのではないか?みたいなことも、ネットではまことしやかにささやかされている。
疑惑のデパートなのだから、何があってもおかしくはない。
真相は分からない。ネリが30連勝を飾って幕を閉じた。
ネリと井上戦は果たして実現されるのか?
ファンとしては見てみたいと思う反面、何かあったときに井上が心配、という気持ちもある。
今後井上が、WBSS決勝でドネアに勝利して優勝を果たせば、可能性としてはあるかもしれない。
井上は対戦相手探しに苦労していたので、相手としての候補は、テテかネリ、ということになるのだろうか?
ところがネリは、日本ボクシング協会から永久追放を受けている。
また、テテにも言えることだが、WBSSの優勝者と簡単に試合ができるというのも、少し違うように思う。
井上の今後の対戦相手はどうなっていくのだろうか?
あるいは、井上拓真(弟)ということも考えられる。
ネリと対戦するとなれば、がぜん大きな注目が集まる。
弟は井上の陰に隠れて、あまり注目されていなかったけれど、世界が目前のところまできている。
ただネリは、日本で開催する試合に出場ができないので、少しハードルは高い。
実現する可能性はかなり薄いように思う。
大体、ネリが許されているのなら、比嘉大吾も試合をして良いはずである。
日本人はルールにとても厳格なので、謹慎の解除はまだ先なのだろう。
メキシコ人はネリのことをどう思っているのだろうか?
ネリをスター扱いしているだとすれば、ちょっと国を疑ってしまう。
ドーピングが発覚したカネロがスターなのだから、ありえる話ではある。
ボクシングは残念ながら、全然クリーンなスポーツではない。
村田のようなスカッとした試合を、また観たいものである。