オルフェーヴルが日本競馬史上、もっとも強い馬の1頭であることは、競馬ファンであれば異論はないと思います。
2011年、東日本大震災の年にクラシック3冠を達成し、史上7頭目の偉業を成し遂げました。
オルフェーヴルは父親ステイゴールド譲りの気性の激しさで、一度暴れだすと手に負えなくなります。
菊花賞を1位で駆け抜けて3冠の偉業を達成したというのに、レース後に暴れて池添騎手を振り落としてしまう…。
実況は「こんな3冠馬は見たことがありません」と笑いながら言うのが、とても印象的でした。
オルフェーヴルの魅力は、暴れん坊ながらもここ一番に無類の強さを発揮することにあるのです。
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オルフェーヴルの数々の印象的なレースについて
オルフェーヴルのレースは、とりわけ印象的なものが多いです。
・ダービーの最悪の馬場での勝利
・究極の瞬発力勝負を制した有馬記念
・2度の凱旋門賞
・ありえないほどぶっちぎった衝撃のラストラン
オルフェーヴルのことを思うと、胸が熱くなってきます。
そんな中でも、もっともわたしたちを驚かせたのは、阪神大賞典ではないでしょうか?
オルフェーヴルは阪神大賞典で、前代未聞の大暴走を繰り広げました。
その走りは、池添騎手も「化け物」と言わしめるほどのすさまじいものでした。
阪神大賞典で見せた前代未聞のパフォーマンス?によって、オルフェーヴルの怪物ぶりが、より顕著になったと言っても過言ではありません。
レースに負けたのに、主役は間違いなくオルフェーヴルだったのです。
オルフェーヴルが鮮烈な強さを魅せた阪神大賞典
レースは、オルフェーヴルが向こう正面の第3コーナーに入る前から、早くもトップに立ちます。
仕掛けるにしては、あまりに早すぎるような位置です。
京都競馬場の最大の難所である、下り坂と最後の直線が控えているのに、先頭に立ってぶっちぎりそうな勢いです。
ターフビジョンをよく見ると、池添騎手は手綱をがっちり引いて、オルフェーヴルを抑えにかかっています。
しかしオルフェーヴルは言うことを聞かず、どんどん前へと突き進んでいきます。
やがて第3コーナーでオルフェーヴルは大きく外に膨れていきます。
後続から次々と追い抜かれて、オルフェーヴルはみるみるうちに失速していきました。
観客席から悲鳴の声が上がり、オルフェーヴルを心配する声があがります。
誰もが完全に終わったと思っていたところに、あり得ない光景が映し出されます。
後続から抜かれて行く様子を見て、オルフェーヴルはすぐさまエンジンを掛け直すのです。
グングンと差を詰めていき、大外から駆け上がっていきます。
最終コーナーから直線に入っていくとき、あれほどのロスがあったにも関わらず、あろうことかオルフェーヴルは先頭争いに加わろうとしていたのです。
誰もが目を疑うありえない光景でした。
オルフェーブルが先頭に並ぶ勢いで差を詰めていたのです。
しかし、第3コーナーでの遅れは大きなものでした。
結局、半馬身届かずに2着でゴールしたのです。
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オルフェーヴルが怪物ぶりを魅せた1戦!
阪神大賞典の1着はギュスターヴクライでした。
オルフェーブルは負けはしたものの、鮮烈な印象を残しました。
勝負には負けたものの、このレースで大きな注目を集めたのは、間違いなくオルフェーヴルでした。
2012年の阪神大賞典は、クラシック三冠馬による前代未聞の暴走劇として、ファンの記憶に刻まれています。
オルフェーヴルのその後の活躍ぶりは、改めて説明するまでもありません。
凱旋門賞の栄光を目の前にして、ゴール前の失速で取り損ねたり、ラストランの有馬記念で、とてつもない圧勝劇を繰り広げたり、とにかく破天荒過ぎる馬でした。
東日本大震災の年に3冠を達成した稀代の名馬は、多くの勇気と希望を与えました。
オルフェーヴルは中央競馬の歴代の中でも、特に素晴らしい稀代の名馬なのです。