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百貨店

百貨店はもはや時代遅れなのか?元社員が考える今後の行方について!

やま
やま
某大手百貨店に11年勤めていました。

百貨店がずっと昔から厳しいと言われ続けていて、もう随分と経っています。

わたしが入社した十年近く前から、すでに時代遅れと言われていました。

百貨店なんてまだ行く人いるの?若い人はそんな感覚ではないでしょうか?

実際、百貨店の主要顧客は、60歳以上だったりするのです。

 

百貨店はいろんな施策をしていますが、どれも効果をあげているとは言えません。

小手先の変化ではなく、思い切り振り切らなければ今後も厳しいように思います。

百貨店はこのまま縮小して、潰れていく運命にあるのでしょうか?

百貨店に10年以上勤めてきた元社員が、今後について考えてみたいと思います。

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百貨店の売上は右肩下がりに推移している

百貨店の売上は右肩下がりに推移しています。

90年代には市場規模が9兆円あったのですが、現在は5兆円近くまで低下しています。

かつては小売の王様でしたが、いまや百貨店をそんな風に見ている人は1人もいません。

いまならまだ手を打てる段階だと思いますが、このままの状態を続けていくと、やがて対処できなくなるように思うのです。

百貨店は何でもあるけれど欲しい物がない!

買い物をして貢献しようと思ったけど、欲しい物がなくて辞めた…。

これは実際にわたしが母親から言われた言葉です。

百貨店は何でも揃っているけれど欲しい物が何もない…。

実際に店頭に立っていて、客からこんな声がよく聞こえてきます。

百貨店に対して一定の期待をしているのですが、いざ買い物しようとなると欲しい物が1つもない…。

その声を受けて柔軟にやるべきなのですが、現状はそれがうまくできていません。

ただしこういった声はまだ百貨店に関心があり、好意的に見ている人の意見です。

若い人に聞くと、もっと厳しい言葉が並びます。

・値段が高いだけ

・古臭い

・おじいさんやおばあさんが行くところ

若い人に至っては選択肢の眼中に入らず、興味すら持ってもらえません。

百貨店自体、主要顧客は高齢の人なので、こんな声は拾う必要はないかもしれません。

しかし、戦略的にそうなったのではなく、何も変わらないまま気がつけばこうなった、と言う方が正しいのではないでしょうか?

戦略がないまま掛け声だけでは、ジリ貧状態から抜け出すことはできません。

これらに対処できないなら、時代遅れと言われても仕方がない状況です。

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百貨店は時代のチャンネルに合っていない

百貨店は残念ながら、時代のチャンネルに合っていません。

お中元やお歳暮といった旧来の慣習に縛られたまま、変わることができていません。

古いものがダメではないのですが、同じやり方を踏襲していてはジリ貧で終わります。

いまの時代に合わせるなど、何かしらアレンジが必要だと思うのですが、百貨店は旧来のやり方から抜け出すことができていないのです。

 

蔦屋書店のような取り組みは、本来は百貨店が行うべきだったと思います。

文化の発信というのは、百貨店に課せられた大義の1つではないでしょうか?

レンタルビデオから始まって、Tポイントや蔦屋家電など新たな施策を次々と打ち出す経営は、端から見ればうらやましくもあります。

いろいろ言っても結局は、百貨店は自らが変わる決断ができていないだけなのです。

ねこ
ねこ
都心の百貨店はすごいけど、地方の百貨店は時代遅れ感があるよな~。

他業種に負ける理由は百貨店の強みがまったく活かせていない!

百貨店が競争力を失い、地位が低下している理由は何なのでしょうか?

もっともよく言われるのは、専門店の台頭です。

・ユニクロ

・ニトリ

・家電量販店

・セレクトショップ

百貨店は何でも揃っているのですが、専門性に欠けていました。

品揃えにこだわり、価格も抑えられた専門店に、客足が向くのは当然のことです。

 

百貨店はこれらの攻勢に対して、小手先の手段だけで対抗していました。

目先のことは何とかなっても、長い目で見ればもはや勝負は見えています。

 

早くから危機感を持って対処していれば、変わっていたかもしれません。

百貨店に蔓延しているのは、百貨店らしさという意味のないプライドばかりなのです。

百貨店らしさなんて、客が決めることであり、自分で定義するものではありません。

過去に栄光に居座っているだけで、新たな百貨店らしさを作り出す気概など、これっぽっちも持ち合わせていないのです。

やま
やま
百貨店という営業形態がもはや時代遅れなのかもしれません…。

変化を忘れた企業に未来はない

老舗が老舗たるゆえんは、革新を続けていった結果なのです。

ソニーがゲームのプレイステーションを発売したとき、散々バカにされました。

現在ゲーム事業はソニーの屋台骨となっていて、それなくして考えられません。

 

百貨店の内部にいて感じたのですが、百貨店という形に捉われすぎです。

 

自らが先導して客を教育していく…、そんな意気込みに欠けていると思います。

蔦屋書店のような店ができて、本屋の個性の無さが露わになりました。

百貨店ももっと走り続けて欲しいのですが、残念ながらできていると言えません。

 

自社製品を強化していくという取り組みは、数年後にはだいたい終了しています。

わたしはその現場を、イヤというほど目の当たりにしてきました。

世の中はあれが売れているらしい…、これをうちに取り入れれば…。

トレンドを読むのも大事ですが、人に何とかしてもらう姿勢が強すぎです。

 

自分の力で本気で開拓していく…、そんな意志が感じられないのです。

このままだと百貨店はやがて絶滅危惧種になる?

百貨店は今後も縮小を続けていき、地方店は閉店して行くことになります。

将来的には、都心の一等地だけに集約していくことになるでしょう。

百貨店で買い物するというのは、絶滅危惧種になるのかもしれません。

元社員としては寂しい限りですが、時代に見合った価値を提供できていないので当然です。

百貨店が復活するために必要なこと!

USJの再建を果たしたマーケターの森岡毅さんの話は、とても参考になります。

>プレジデントオンライン リアル店舗がネット通販に勝つ唯一の方法

敏腕マーケターから見れば、小売業は強みをまったく活かせていないのです。

ネット販売が台頭することにより、リアルで買う意義が問われるようになりました。

リアルの買い物には、まだまだ残された余地はたくさんあるように思います。

 

パティシエ・エス・コヤマには、子どもしか入れない店があります。

大人は見たくて仕方がないので、子どもから必死に情報を引き出そうとします。

単にモノを売るだけではない、独自体験を売る方法が功を奏しています。

 

文喫という入場料を取る本屋が話題となり、人気を博しています。

百貨店も入場料を取って、それ相応の世界観を作れば良いではないでしょうか?

百貨店はVIP顧客だけを集める限定の場を設けていますが、高額商品を寄せ集めしているだけです。

最初から入場料を取るくらいの気合いで、本気でディスプレイをすれば、少しは変わるのではないでしょうか?

 

リアルができることは、まだ無限にあるように思います。

ただし百貨店は現状維持するのが手一杯で、新しいことをやる余力はほとんどありません。

やま
やま
わたしも現場で働いているときはずっとそうでした。

闊達に議論をしてアイデアを形にしていく…、そんな姿勢はほとんど感じられません。

真摯に向き合わなければ、今後も衰退していくばかりのように思うのです。

百貨店が再び陽の目を見るためにいまから施策を立てて欲しい!

百貨店はかつて小売の王様であり、家族で楽しめる場所でした。

さまざまなサービスが出てくる中で、百貨店は何も変わろうとしなかったのです。

老舗は常に変化を続けた先に、結果として伝統が息づいていきます。

百貨店らしさに捕らわれている時点で、すでに過去に目を向けている証拠です。

 

百貨店らしさを破壊してしまうくらいの、覚悟と矜持が必要だと思うのです。

それによって客離れが起きることもあるでしょう。

本業に未来が感じられないなら、ほかの業種に手を伸ばしても良いかもしれません。

思い切った経営判断をしなければ、ますますジリ貧に追いやられるだけなのです。

やま
やま
百貨店は時代遅れと言われないように、頑張って欲しいです。
ねこ
ねこ
デパ地下の美味しいものを買ってくれ~。