音楽

ジャクリーヌ・デュ・プレの思い出 ~チェロをめぐるひととき~

あなたがもっとも深く影響を受けた人は誰ですか?

こういった問いに対して、わたしは間髪言わずに答えることができます。

 

ジャクリーヌ・デュ・プレ。

 

100年に1人と言われる、イギリスが生んだ天才チェリストです。

大学時代に出会って以来、ことあるごとに彼女の音楽を聴き返しています。

 

彼女の情熱的な演奏は、ほかに類を見ない大変素晴らしいものです。

世界中に素晴らしいチェロ弾きはたくさんいますが、彼女は突出していると思います。

 

ジャクリーヌ・デュ・プレについて語ると、1冊の本ができるほどです。

いつか心ゆくまですべてを語り尽くしたい…、ひそかにそんな野望を抱いています。

 

ジャクリーヌ・デュ・プレについて触れていきたいと思います。

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ジャクリーヌ・デュ・プレについて

ジャクリーヌ・デュ・プレの生涯を言い表すと、悲運の天才チェリストなのかもしれません。

17歳でデビューを果たし、エルガーのチェロ協奏曲で鮮烈な演奏を披露します。

まだあどけなさが残る少女が、悲壮な面持ちでチェロを弾いていく…。

その姿に観客は大いに魅了され、たちまち国民的スターダムへのし上がっていきます。

 

ただ彼女に待っていたのは、非常に厳しい現実でした。

多発性硬化症という難病に見舞われ、28歳という若さで引退してしまいます。

その後、車椅子生活で療養に励んでいましたが、病状は回復しませんでした。

なんとわずか42歳という若さで、生涯を閉じることになったのです。

ジャクリーヌ・デュ・プレの演奏について

古今東西、優れたチェリストというのは、山のように存在します。

もっとも偉大なチェリストと言えば、パブロ・カザルスで異論はないと思います。

現代で言えばヨーヨー・マが、もっとも有名なチェリストでしょう。

少し前であれば、ロストロボーヴィッチを挙げる人もいるかもしれません。

 

わたしにとって、断トツのナンバーワンが、ジャクリーヌ・デュ・プレです。

わたしが彼女の演奏に惹かれるようになったのは、数々の数奇な出来事が重なっています。

ことあるごとに彼女は忽然と姿を表し、圧倒的な感動の渦へといざなっていきます。

このことについては、いつか別の機会で紹介してみたいと思います。

 

ジャクリーヌ・デュ・プレは、体を張った情熱的な演奏が特徴です。

男性顔負けの大きな音を繰り出し、体ごと身を預けるようにして演奏します。

チェロと彼女の体が渾然一体となり、まるで彼女自身から音を発しているかのようです。

熱量や曲に賭ける意気込みなど、あらゆる面においてすごいの一言です。

 

チェロを語る意味において、ジャクリーヌ・デュ・プレは避けて通れないと思います。

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ジャクリーヌ・デュ・プレのすさまじい1曲

ジャクリーヌ・デュ・プレのおすすめは、ドヴォルザークの『チェロ協奏曲』です。

彼女の曲に賭ける意気込みと熱量は、ほかのどんな演奏家とも明確に違います。

空前絶後のすさまじい演奏というのは、まさに彼女を指しているのだと思います。

さまざまな演奏を聴いてみても、彼女の演奏こそがナンバーワンです。

 

難点としては、約50年前の演奏ということで、音の古さは否めません。

また、バックのオーケストラの演奏が、若干物足りない部分が多いです。

完成度で言えば、まだまだ向上の余地があると感じさせる演奏かもしれません。

しかしそれを加味しても演奏はすさまじく、地位は揺るぎないものとなっています。

 

一般的に知られているのは、エルガーの『チェロ協奏曲』ではないでしょうか?

憂いと哀愁の雰囲気の中、緊張と緩和が見事にマッチした素晴らしい名演です。

ただエルガーは少しだけ難しく、ドヴォルザークの方が曲として親しみやすいです。

またシューマンのチェロ協奏曲も、非常に秀逸で大変素晴らしい曲に仕上がっています。

ジャクリーヌ・デュ・プレについて語ってみたい

かつて村上春樹さんは「フィッツジェラルド体験」という文章を綴っていました。

自身が受けた衝撃について、これでもかというほどの熱い思いが語られていました。

わたしもいつか村上春樹さんのような文章を書いてみたい…。

「わたしのジャクリーヌ・デュ・プレ体験」として、率直な思いを綴ってみたい…。

 

わたしがジャクリーヌ・デュ・プレに出会ったのは、ある映画がきっかけでした。

その後、コンピレーションアルバムを買い、貪るように聴きこみました。

自分の中で圧倒的な位置を占めて、やがて離れられなくなりました。

おそらく日本で1番、ジャクリーヌ・デュ・プレのことが好きな人間だと思います。

 

ジャクリーヌ・デュ・プレの情熱的な演奏は、聴く者すべてを魅了します。

わたしは当時大学生で、エネルギーの吐け口が見出だせずに悶々としていました。

ジャクリーヌ・デュ・プレの演奏を聴くと、まるで心が洗われるようでした。

演奏には通常の何倍もエネルギーが込められているのに、驚くほど優しい…。

 

ジャクリーヌ・デュ・プレのことは、いくらでも語ることができます。

姉が書いた著作『風のジャクリーヌ』は、わたしの生涯のベスト本です。

スキャンダラスで衝撃的な内容ですが、わたしはそこに人間味を感じました。

ジャクリーヌ・デュ・プレのことを思うと、さまざまな感情に駆られるのです。

 

続きに関しては、また別の機会があったときに書いてみたいと思います。

 

もし興味のある方は、以下の記事も面白くて大変おすすめなので是非ともご覧下さい。

テレビ東京系列『和風総本家』で放送された、屈指の感動作について綴っています。

遠く離れた地で繋がった、のこぎり職人とヴァイオリン修復師、です。

ストラディヴァリウスの修復には、実は日本製の小型のこぎりが大きく関わっていた…。

 

ヴァイオリンとかチェロとか、楽器にまつわる物語というのは本当に良いですね!

かれこれ10年近く前の放送になりますが、いまでも心に深く残っている珠玉の名作です。

わたしにとって、ジャクリーヌ・デュ・プレと、のこぎり職人の話は、永遠に尽きない、最高の名作なのです。

>【和風総本家】イタリアのヴァイオリン修復師と、のこぎり職人の話