映画批評

映画『寝ても覚めても』は最高の出来栄えだけど、関西弁が不自然!

18年のカンヌ映画祭は、日本人にとってとても印象に残る回となりました。

是枝監督の『万引き家族』が見事、最高賞のパルムドールを受賞したのです。

是枝監督は、これまでにも数々の素晴らしい映画を生み出してきました。

誰も知らない』『空気人形』『そして父になる』など、いずれも見応えのあるものばかりです。

 

カンヌ映画祭のコンペティション部門で、『万引き家族』とは別にもう1作出品されていたのはご存知でしょうか?

それが濱口竜介監督の『寝ても覚めても』です。

この映画の出来栄えがとても素晴らしくて、映画関係者の間では、こちらがパルムドールを獲るのではないか?と囁かれていました。

結果は残念でしたが、この作品がとにかく素晴らしい出来なのです。

引用:寝ても覚めても公式HPより

『寝ても覚めても』のあらすじ、キャストについて

寝ても覚めても』は、以下のようなあらすじとなっています。

<あらすじ>

東京。

丸子亮平は勤務先の会議室へコーヒーを届けに来た泉谷朝子と出会う。ぎこちない態度をとる朝子に惹かれていく亮平。真っ直ぐに想いを伝える亮平に、戸惑いながら朝子も惹かれていく。しかし、朝子には亮平に告げられない秘密があった。亮平は、2年前に朝子が大阪に住んでいた時、運命的な恋に落ちた恋人・鳥居麦に顔がそっくりだったのだ――。

5年後。

亮平と朝子は共に暮らし、亮平の会社の同僚・串橋や、朝子とルームシェアをしていたマヤと時々食事を4人で摂るなど、平穏だけど満たされた日々を過ごしていた。ある日、亮平と朝子は出掛けた先で大阪時代の朝子の友人・春代と出会う。7年ぶりの再会。2年前に別れも告げずに麦の行方が分からなくなって以来、大阪で親しかった春代も、麦の遠縁だった岡崎とも疎遠になっていた。その麦が、現在はモデルとなって注目されていることを朝子は知る。亮平との穏やかな生活を過ごしていた朝子に、麦の行方を知ることは小さなショックを与えた。

一緒にいるといつも不安で、でも好きにならずにいられなかった麦との時間。
ささやかだけれど、いつも温かく包み、安心を与えてくれる亮平との時間。
朝子の中で気持ちの整理はついていたはずだった……。

引用:寝ても覚めても公式HPより

<キャスト>

丸子亮平/鳥居麦:東出昌大

泉谷朝子:唐田えりか

串橋耕介:瀬戸康史

鈴木マヤ:山下リオ

島春代:伊藤沙莉

岡崎伸行:渡辺大知

平川:仲本工事

岡崎栄子:田中美佐子

『寝ても覚めても』の感想について

身も蓋もないこと言ってしまえば、ヒロインはかなりイタイ女です。

街ですれ違った人に勝手について行くし、勝手に抜け出してどこかに行ってしまうし、一体何を考えているのか分からず、不可解な行動が多すぎます。

身近にいたら、かなり嫌だな、と思うタイプです。

 

ところが、なぜか放っておくことができません。

唐田えりかという女優が、とにかく役にピッタリで合っているのです。

危うくて見ている方もドキドキしますが、映画では男を振り回し続けています。

彼女の魅力がこれでもかというくらいにビンビンと伝わってくるのです。

 

唐田えりかという女優を全然知らなくて、あとからいろいろと調べました。

有村架純の後輩で、これから活躍が期待される若手女優とのことでした。

いまどきのかわいらしい女性ですが、フィルムでは男を翻弄し続けていきます。

見ているこちら側も、どんどん惹かれていくことに気づくのです。

『寝ても覚めても』は恋愛映画?たどたどしい関西弁の意味は?

この映画をカテゴライズすれば、恋愛映画ということになるかもしれません。

しかし一般的な恋愛映画とは、明らかに一線を画しています。

全体的に不穏な空気が漂っていて、どこか怖さすら感じてしまうのです。

ひとクセもふたクセもあって、全然普通ではないのです。

 

文学作品を映画化すると、どこか堅くて文学臭さが抜けていないことがあります。

悪人』や『わたしを離さないで』といった辺りは、小説としては素晴らしいですが、果たして映画として成功しているのかと言うと、少し疑問に思うこともあります。

『寝ても覚めても』の原作は読んだことないので、詳しいことは分かりません。

ただし、この作品は純文学を映画化したものの中では、出色の出来なのではないでしょうか?

 

非常に賛否の分かれる映画だと思います。

彼女の行動がまったく理解できないし、気持ち悪いからイヤ、という人もいれば、ものすごく分かる、と共感できる人もいると思います。

わたしは彼女の行動が全然分かりませんでしたが、もしかしたらあり得るかもしれない、と思うところも随所に見られて、この不穏な空気がクセになるのです。

この監督の演出の手腕は、相当すごいと思います。

 

ちなみにこの映画の魅力(?)として、たどたどしい関西弁にあります。

この映画で出てくる関西弁は、相当おかしなものが次々と出てきます。

ネイティブの関西人がサラッと言う関西弁ではありません。

関東人が無理やり関西弁で演技したような、ぎこちない話し口調が続いていきます。

 

あれは果たして演出だったのでしょうか?

それともあれしかできなかったのでしょうか?

実際のところはよく分かりません。

関西人の自分としては、かなりツッコミを入れたくなる会話の連続でした。

『寝ても覚めても』の口コミ、評判について

寝ても覚めても』は、口コミでも大きな話題となっています。

『寝ても覚めても』を動画で観るには

寝ても覚めても』は、DVDで発売しています。

こちらを買っても観るのも良いですが、動画配信で観るのがおすすめです。

寝ても覚めても』は、アマゾンプライムビデオ、またはU-NEXTで配信されています。

アマゾンプライムビデオは会員になって、レンタルで500円支払えば視聴することができます。

U-NEXTの場合は月額1,990円になれば、この映画を観ることができます。

初月はお試し期間として、31日間無料で視聴できるのでおすすめです。

アマゾンプライムビデオU-NEXTは、ほかにも映画やアニメなどさまざまなコンテンツがあるので、映画を見終わったあとも十分に楽しめます。

アマゾンプライムビデオU-NEXT、是非一度お試し下さい。

最後に

濱口竜介監督は、これよりも前に『ハッピーアワー』という5時間を超える超長尺の映画を撮っています。

この映画が本当に素晴らしくて、限られた紙面では語り尽くせないほどです。

京都の『出町座』という映画館で、三部に渡って公開していたのですが、わたしは思わず見入ってしまい、全然疲れを感じませんでした。

『ハッピーアワー』論」という本まで出版されていて、2010年代を代表する1作として紹介されています。

もし興味のある人は、是非合わせてご覧ください。