映画批評

【感想】映画『天気の子』は、新海ワールドが満載の良質なファンタジー

新海誠監督の最新作『天気の子』がついに公開となった。

前作『君の名は』が空前の大ヒットを記録して、社会現象になったこともあり、本作に対する注目度は異常なまでに高かった。

これほど周囲の期待を集めると、とてつもないプレッシャーになると思う。

しかし新海監督は気負うことなく、きっちりと作品を仕上げていた。

 

天気の子 公式HPはこちら

 

『天気の子』の冒頭を観たときに、この物語を一体どのように膨らましていくのか、まったく想像ができなかった。

天気という限定された題材で、いかにエンタメ作品を作り上げるのか?

予告編を見ても、いま1つどんな物語なのかハッキリと分からない。

しかし、そこは新海監督の真骨頂である。良質なファンタジーに仕上がっていた。

 

物語は軽快に進んでいき、あらぬ方向へと進んでいって、いい意味で裏切られていく。

およそ2時間、最後まで飽きることなく楽しむことができる。

絵の美しさは言わずもがなである。池袋や新宿など、東京の街並みが忠実に描かれている。

RADWIMPSによる音楽のこだわりなどは、完全に新海ワールドそのものである。

 

それにしても新海監督の作り込みは、本当にハンパない。

このクオリティを完成するのに、どれほどの手がかかっているのか、想像しただけでゾッとする。

エンドクレジットを見ると、とてつもない人の数が並んでいて、その様子がうかがい知れる。

これほど細部まできちんと描くアニメ作家は、他にいない。

恋愛要素も含まれており、後半は『君の名は』に重なる部分もいくつかあった。

後半のスケール大きい美しい絵は、単純に鑑賞するだけで十分に価値があると思う。

 

映画ではずっと雨の描写が続くけれど、偶然にも昨今のジメジメした梅雨の天気がリンクしていて、面白い。まるでこの映画に、合わせたかのようである。

 

『天気の子』は、大人のファンタジーだと思う。

これは細田守監督の作品にも言えるけれど、アニメの形を取っていても、中身はかなりしっかりとしているものが多くて、大人向けに感じるものが多い。

わたしはちょうど良かったけれど、子どもや学生は理解できるのだろうか?

『君の名は』と比べても、少しだけ難しいように感じたりもする。

 

個人的な注文をつけるならば、セリフが多めだな、という感じがした。

素晴らしい絵と素晴らしい音楽があるのだから、もう少しセリフを減らして、じっくり見せてもいいように思う。

全体的に情報量が非常に多いので、少し削ってもいいかな、と思ったりもした。

 

わたし個人の感想を言うと、面白さでは『君の名は』よりは若干劣るけれど、それでも十分に楽しめる作品である。

『君の名は』の大ヒットで、とてつもないプレッシャーにさらされたと思うけれど、新海監督は期待を裏切ることなく良質な作品に仕上げてきた。

このクオリティの映画を公開初日に見られるのは、単純に幸福である。

新海誠監督の新作映画をいち早く観ることができて、とても良い時間を過ごすことができた。

 

これからどれくらい興行成績が伸びていくのだろうか?

『君の名は』のような爆発的なヒットとはいかないまでも、この夏をもっとも賑わす作品の1つになるに違いない。

トイ・ストーリー4とか、いろんな映画があるけれど、

個人的には新海監督に頑張って欲しいので心から応援している。

 

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