テレビやネットニュースなどで、国会についてたびたび取り上げられます。
政治のルールは小学校のときに習いますが、忘れてしまった人も多いかもしれません。
国会にはいくつか種類があり、また会期もあらかじめ決まっています。
政治を理解するためには、まずは基礎知識を知ることからだと思います。
政治を複雑怪奇にしているのは、争点が見えにくいことにあります。
まずはルールをしっかりと理解すれば、自ずと見えてくることがあります。
国会と種類と会期について、池上彰さんよりも分かりやすく(?)解説したいと思います。
政治に関する記事はほかにも書いていますので、合わせてご覧ください。
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国会の3つの種類について
国会には大きく分けて3つの種類があります。
それぞれ会期や役割が決まっているので、順を追って見ていきます。
通常国会
毎年必ず開かれる国会であり、国会議員のメインの仕事です。
毎年1月に開かれて、150日間行われるという決まりになっています。
2020年の通常国会の会期は、以下のようになっています。
招集日…令和2年1月20日
会期終了日…令和2年6月17日
会期…150日間
過去の実施時期を振り返ると、1月の中でも若干のバラツキがあります。
<もっとも早かった時期>
平成28年1月4日~
<もっとも遅かった時期>
平成13年1月31日~
いずれにしても1月中に招集し、150日間の通常国会が行われます。
通常国会のおもな仕事は、翌年度の予算を決めることです。
開会式には天皇陛下が臨席することが通例になっています。
議案がまとまらない場合、1度だけ期間を延長することができます(延長国会)。
特別国会
特別国会は衆議院解散総選挙が行われてから30日以内に行われます。
解散総選挙のときに開かれるものなので、それほど頻繁には行われません。
直近では以下の会期で特別国会が行われています。
・平成24年12月26日~平成24年12月28日(3日間)
・平成26年12月24日~平成26年12月26日(3日間)
・平成29年11月1日~平成29年12月9日(39日間)
特別国会は数日で終わることもあれば、1ヶ月近く行われることもあります。
過去には、120日間(平成2年)も行われたこともありました。
特別国会が開かれる目的は、以下のようなものがあります。
・内閣総理大臣の指名
・衆議院議長(副議長)の選出
特別国会で総理大臣の指名投票が行われて、総理大臣が決まります。
特別国会は期間延長が2回まで可能になっています。
臨時国会
臨時国会は150日間の通常国会が終了したあと、臨時に開かれる国会です。
通常国会で決まらなかったことを、追加を補う場合に行われます。
・急いで法案を審議する必要がある
・補正予算を組む必要がある
臨時国会は1度だけの開催ではなく、複数回行われることも多いです。
令和元年の場合、以下の会期で2回、臨時国会が行われています。
・令和元年8月1日~令和元年8月5日(5日間)
・令和元年10月4日~令和元年12月9日(67日間)
臨時国会の日数はまちまちで、議題の内容によって異なってきます。
臨時国会が行われるのは、以下のような条件が必要となります。
・衆議院か参議院のどちらかの議員の4分の1以上
臨時国会が行われなかった年は過去に5回しかありません。
臨時とは名ばかりで、実際にはほぼ毎年必ず行われています。
臨時国会も期間の延長は2回まで可能になっています。
興味のある方は、過去に開催された衆議院の会期一覧も合わせてご覧ください。
4つ目の国会である参議院の緊急集会について
先に挙げた3つの国会がほとんどですが、ほかにも国会があります。
参議院の緊急集会は、以下のような緊急事態のときにのみ開かれます。
・衆議院が解散し総選挙が行われているときに、災害や外交などで不測の事態が発生
参議院の緊急集会は、過去2回開かれたことがあります。
・中央選挙管理会の委員の任命(昭和27年)
・予算に関する審議(昭和28年)
かなり昔の話で、現在の国会法では、実際に開催された例はありません。
一刻を争う非常時にのみ行われる、緊急の集会となっています。
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世界の国会は「通年会期制」が多い
日本の国会は、開かれている時期とそうではない時期があります。
しかし海外の先進国では「通年会期制」を採用している国が多いのです。
常に議会が開かれていて、次の国会でも継続して法案を審議できます。
日本は会期を区切っていて、法案が会期中に通過しなければなりません。
十分な議論が尽くされないまま、廃案になっているものも多いのです。
国会は会期によって思惑が複雑に交錯している
国会での話し合いは、日程ありきで運営がなされています。
日程ありきの運営によって、会期をめぐるさまざまな思惑が交錯しています。
会期中に提出された法案は、すべて十分に審議されるわけではありません。
審議が十分になされることなく終わり、廃案になってしまうものも多いのです。
何とか法案を通したい与党は、会期を延長して何とか「時間切れ」を防ぎます。
法案を阻止したいと目論む野党は、何とか採決まで持って行かないことを狙います。
議論を深めるというよりも、日程から逆算したバトルが展開されています。
法案を通すか通さないかの攻防戦は、まさに政治的闘争の最前線です。
法案の議論をしっかりと尽くして、国民の声に寄り添って欲しいと思います。