フランソワ・オゾン監督の『婚約者の友人』は素晴らしい会心作です。
わたしは名古屋の「伏見ミリオン座」で観ましたが、ものすごく心に残っていて、いまでも忘れることができません。
全編モノクロで、画面からは常に不穏な空気が漂っています。
最初はあまり期待していなかったのですが、みるみるうちに惹き込まれていったのです。
フランソワ・オゾン監督は、最近すっかりご無沙汰になっていました。
昔は『焼け石に水』『まぼろし』『スイミング・プール』『8人の女たち』などをよく観てました。
ひとクセもふたクセもある作風が好きで、観ていると妙に病みつきになってきます。
今作の『婚約者の友人』は、復活の会心作と言って良いのではないでしょうか?
映像からこの映画に賭ける気合いが、ビシバシと伝わってくるのです。
『婚約者の友人』について、感想や見どころなどをお伝えしていきます。
引用:婚約者の友人公式HPより
目次
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『婚約者の友人』のあらすじ、キャストについて
<あらすじ>
1919年、戦後のドイツ。愛する人の墓の前で泣いていた見知らぬ男。彼の正体が明かされた時、新たな謎の扉が開く。
1919年、戦後の傷跡に苦しむドイツ。
婚約者のフランツを亡くし悲しみの日々を送っていたアンナは、ある日、フランツの墓に花を手向けて泣いている見知らぬ男に出会う。
戦前にパリでフランツと知り合ったと語る男の名はアドアリアン。
アンナとフランツの両親は彼らの友情に感動し、心を癒やされる。
だが、アンナがアドリアンに“婚約者の友人”以上の想いを抱いた時、アドリアンは自らの”正体”を告白する。
いくつもの謎を残したまま姿を消したアドリアンを探すために、フランスへ旅立つアンナ。
パリ管弦楽団、ルーヴル美術館と、心当たりを訪ね歩くアンナは、アドリアンが入院したという病院へたどり着き、衝撃の記録を見つけるのだが。
引用:婚約者の友人公式HPより
<キャスト>
アドリアン:ピエール・ニネ
パウラ・ベーア:アンナ
エルンスト・ストッツナー:ハンス(フランツの父)
マリエ・グルーバー:マグダ(フランツの母)
ヨハン・フォン・ビューロー:クロイツ
アントン・フォン・ラック:フランツ
シリエル・クレール:アドリアンの母
アリス・ドゥ・ランクザン:ファニー
引用:婚約者の友人公式HPより
『婚約者の友人』の感想について
※ここからはネタバレに関わるので、観ていない人はご遠慮下さい。
『婚約者の友人』は、サスペンスタッチのミステリードラマです。
1932年の反戦ドラマをリメイクであり、フランソワ・オゾン監督が大胆に構成を変えて、新たな作品として作り出しています。
作品がとても古風で、全般的な話の流れもクラシックな雰囲気を漂わせていますが、一筋縄に行かないのが、この作品の特徴です。
何かが起きそうで何も起きない・・・、簡潔に言ってしまえばこれに尽きると思います。
映画を見ていると、つい先に起きる展開を推理したくなります。
いかにも何かが起きそうな雰囲気で、絶対にどこかで急展開が待っているはず・・・、わたしはずっと構えながら観ていました。
しかしいつまで経っても、何も起こらずに淡々と話が進んでいきます。
淡々と話が進んでいき、淡々とした雰囲気で裏切られ、淡々と幕を閉じていく・・・。
ミステリーによくある「ダマされた」といった感じではなく、純文学を突き詰めた結果、ミステリー風に仕上がった、といった感じなのです。
わたしもこの展開は、まったく予期していませんでした。
最後のシーン、いろんな思いがこみ上げてきて、深い余韻に浸れます。
映画でしか味わうことのできない、素晴らしい作品に仕上がっているのです。
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『婚約者の友人』でフランソワ・オゾン監督は復活を果たした!
フランソワ・オゾン監督は、昔は良い映画をたくさん作っていましたが、最近はイマイチ、というのが、わたしの評価でした。
ところが本作によって、その見方は大きく変わりました。
フランソワ・オゾン監督が持っている底力は、ただ者ではありません。
ヨーロッパを代表する映画監督、わたしはそう評価しても良いように思うのです。
非常に賛否の分かれる映画だと思います。
思わせぶりを装って結局そんだけかぃ、と いった感想を持つ人もいるかも知れません。
賛否ある展開なのかもしれませんが、わたしはとても好感を持ちました。
フランソワ・オゾン監督は見事に復活を果たした、わたしはそんな風に思うのです。
『婚約者の友人』の口コミ、評判について
『婚約者の友人』は、口コミでも大きな話題となっています。
フランソワ・オゾンの「婚約者の友人」を観ました。
グラデーションの美しいモノクロでした。
戦争で傷付いた人々、兵士はもちろん、その親、婚約者、
ある家族を中心に丁寧に描かれています。何を思うか・・・
観る人に委ねられてます。#婚約者の友人— doublemoon83 (@39tmk39) October 31, 2017
パルシネマにて『#婚約者の友人』鑑賞。
「真実に対して人はどう向き合うのか」を、繊細な感情表現と映像美で綴った名作。モノクロを基調とした画面の中、感情の高まりと共に挟まれるカラー映像が鮮烈。袋小路でありながら、それこそが生を繋ぎ止める唯一の道としてとして描かれるラストに鳥肌が立つ。— 淳之介 (@pop_junnosuke) July 27, 2018
#婚約者の友人 みてきた。
主人公アンナがどうにも救われなくて悲しい。
ずっとモノクロで、アンナの願う世界だけカラーになるの、とてもよかった。
1900年代初頭のヨーロッパの街並みが美しかった。 pic.twitter.com/vguBJGAKYz— なつやすみ🍉 (@ms_summer_u_u) November 4, 2017
フランソワ・オゾンはいつも私を裏切らない
今作品は、モノクロームの世界から、嘘、幸せ、そして回想へと映像が美しく、
合縁奇縁の不思議といった感情を、あの「イヴ・サンローラン」のピエール・ニネと、独の新星パウラ・ベーアが素晴らしく演じ
生きる希望が湧く名作だった#婚約者の友人 pic.twitter.com/FBVREWu2ZT— 夏木マリ (@marinatsukides) October 6, 2017
試写会で観た「婚約者の友人」もとても完成度が高く、心に残って居るのでパンフレットを購入しに行こうかと。気に入った映画はパンフレットを手元に残して置きたい派です。
#婚約者の友人 pic.twitter.com/UM9j5UJCbW— NIELSEN堀内 (@nielsenhoriuti) November 5, 2017
『婚約者の友人』を動画で観るには
『婚約者の友人』は、DVDやブルーレイで発売しています。
こちらを買っても観るのも良いですが、動画配信で観るのがおすすめです。
『婚約者の友人』はAmazonプライムビデオやU-NEXTで配信されています。
Amazonプライムビデオの場合、会員になって400円でレンタルをすれば観ることができます。
U-NEXTの場合は月額1,990円の会員になれば、この映画を観ることができます。
初月はお試し期間として、31日間無料で視聴できるのでおすすめです。
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