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映画批評

中野量太監督の映画『湯を沸かすほどの熱い愛』が素晴らし過ぎる!

ひょんなことから出会った映画が、とてつもない深い感動を呼ぶことがあります。

わたしにとって『湯に沸かすほどの熱い愛』は、まさにドンピシャでした。

出会ったことに心から感謝したくなる、本当に素晴らしい映画です。

やま
やま
わたしはこの映画を全力でおすすめしたいです。
ねこ
ねこ
そんなにすごいなら気になってくるぜ~。

2016年は『君の名は』と『シン・ゴジラ』の大ヒットの年でしたが、『湯を沸かすほどの熱い愛』こそ、絶対に見逃してはいけない映画なのです。

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『湯を沸かすほどの熱い愛』を動画で観るには

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『湯を沸かすほどの熱い愛』のあらすじ、キャストについて

『湯を沸かすほどの熱い愛』のあらすじ、キャストは以下のとおりです。

<あらすじ>

余命2ヶ月。

私には、死ぬまでにするべきことがある。

銭湯「幸の湯」を営む幸野家。しかし、父が1年前にふらっと出奔し銭湯は休業状態。

母・双葉は、持ち前の明るさと強さで、パートをしながら、娘を育てていた。

そんなある日、突然、「余命わずか」という宣告を受ける。

その日から彼女は、「絶対にやっておくべきこと」を決め、実行していく。

 

・家出した夫を連れ帰り家業の銭湯を再開させる

・気が優しすぎる娘を独り立ちさせる

・娘をある人に会わせる

 

その母の行動は、家族からすべての秘密を取り払うことになり、彼らはぶつかり合いながらも、より強い絆で結びついていく。そして家族は、究極の愛を込めて母を葬ることを決意する。

<キャスト>

幸野双葉:宮沢りえ

幸野安澄:杉咲花

幸野一浩:オダギリジョー

向井拓海:松坂桃李

片瀬鮎子:伊藤蒼

酒巻君江:篠原ゆき子

滝本  :駿河太郎

引用:『湯を沸かすほどの熱い愛』公式HPより

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『湯を沸かすほどの熱い愛』の感想について

『湯を沸かすほどの熱い愛』の素晴らしさを端的に言うと、「母の偉大さ」です。

宮沢りえ演じる双葉のたくましさが、とにかく際立っています。

その代わり、出てくる男連中はみんな頼りない人ばかりです。

オダギリジョー演じる一浩はどうしようもないダメ男で、松坂桃李演じる向井はいい加減なヒッピー役です。

双葉がたくましすぎるが故に、ダメ男を引き寄せているのかもしれません。

しかし、双葉は決して彼らを責めることはありません。

 

『湯を沸かすほどの熱い愛』は、とにかく杉咲花の演技がすごすぎます。

特に母親との学校に行く行かないの口論のシーンは、息を呑むほど緊迫したシーンです。

一流の演技者同士の壮絶なぶつかり合いは、ものすごい迫力で鳥肌が立ってきます。

口論のシーンだけで、演技賞に匹敵するほどの、すごいやり取りだと思います。

 

双葉の厳し過ぎる叱責は、端から見ればやりすぎのようにも思えます。

無理やり学校に行かせる様子は、ともすれば虐待と取られかねません。

しかし結果的には、娘がきちんと立ち向かっていじめを跳ねのけたのです。

双葉のやり方が間違っていなかった、そう感じさせる瞬間でした。

 

この映画は重いシーンがいくつもありますが、そんな中でも食卓を囲む場面はホッと和みます。

家族で囲むしゃぶしゃぶのシーン、巨大なタカアシガニを頬張るシーンなど、随所に差し込まれていて、緩急の付け方が抜群にうまいと感じました。

エジプトに行きたいという双葉の願いは叶いませんでしたが、父の一浩の発案でやってみせた、組体操のピラミッドのシーンは、心がホッとする良いシーンでした。

 

後半、車の中で、双葉が安澄にある事実を伝えるシーンは、最大の見所です。

宮沢りえと杉咲花は、この映画で日本アカデミー賞の主演女優賞と助演女優賞を受賞しました。

とてつもない緊張感と、まぶた1つ動かさない圧巻の演技は、言葉に言い表せないほどの素晴らしさです。

演技がとにかく神がかっていて、すごいとしか言いようがありません。

『湯を沸かすほどの熱い愛』は闘病映画?

最初わたしは、余命宣告を受けた母親の闘病物語、のような物語を想像していました。

実際に見てみると、そんなにありきたりな生ぬるいものではありませんでした。

この作品はとにかく脚本が綿密に作られていて、いい意味で次々と裏切られていきます。

何気ない描写に含みを持たせていて、あとから分かることがたくさんあるのです。

一度のみならず、何度も鑑賞することができる映画なのです。

『湯を沸かすほどの熱い愛』の口コミ、評判について

『湯を沸かすほどの熱い愛』は、ツイッターでも大変な話題となっています。

『湯を沸かすほどの熱い愛』は家族映画の傑作!

家族を描いた映画は『そして父になる』『万引き家族』『鈴木家の嘘』など、傑作が多いです。

そんな中でも『湯を沸かすほどの熱い愛』は、群を抜いて素晴らしい屈指の家族映画なのです。

家族だからこそ分かり合えないこと、家族しか知り得ないこと、人の数だけさまざまな家族像があります。

家族の秘密をひも解くのは、ときに痛みや苦痛を伴う大変な作業です。

『湯を沸かすほどの熱い愛』も、その苦しみはとても大きなものでした。

だからこそ最後には、大きな感動が押し寄せてくるのだと思います。

中野監督は2019年の4月に最新作『長いお別れ』を公開しました。

こちらも大変素晴らしい作品なので、是非ともご覧ください。

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