国会議員の女性の割合について、もっと引き上げようといった議論があります。
日本の国会議員は男性ばかりで、女性の数が本当に少ない…。
世界と比べて日本は女性議員の数が少なすぎる…。
国のルールを決める場において、男女比に差があるのは大きな問題だと思います。
女性の数はもっと増やした方が良いし、国政でもっと活躍して欲しいと思ったりします。
この考えに大きく反対する人は、あまりいないのではないでしょうか?
ただし、女性の数を増やすだけで本当に良いのか?といった疑問もあります。
国会議員になりたいと思っている女性は、果たしてどれくらいいるのでしょうか?
そもそも女性にとって政治家という職業は、本当に魅力的なのでしょうか?
下駄を履かせて無理やり女性を増やした場合、何か支障は生じないのでしょうか?
政治の世界は、古い男性社会が色濃く残っています。
そこに風穴を空けて新しい風を吹かせることは、並大抵のことではありません。
さまざまな問題が複雑に絡み合っていて、女性の割合だけを論じても、あまり意味がありません。
国会議員の女性の割合は、果たしてどのようになっているのでしょうか?
世界と比較をしながら、今後のあり方について考察したいと思います。
目次
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日本の国会議員の女性割合について
2019年12月時点で、日本の国会議員で女性の占める割合は以下となります。
衆議院…465人中46人(女性割合は9.9%)
参議院…245人中56人(女性割合は22.9%)
両議院合わせると710人中102人となり、割合としては14.3%になります。
選挙ごとの人数や割合について、詳しくは男女共同参画局をご覧下さい。
ここ20年は少しずつ増えていますが、いずれも微増に留まっています。
政治の世界には、まだまだ男性社会が色濃く残っています。
内閣における女性の割合も、さほど大きな違いはありません。
内閣総理大臣・国務大臣…20人中3人(女性割合は15%)
内閣官房副長官・副大臣…28人中2人(女性割合は7.1%)
大臣政務官…27人中6人(女性割合22.2%)
※令和元年10月末の人数。出典は男女共同参画局より
政治の場における女性の割合は、おおまかに言って1~2割程度といったところです。
世界の女性議員の割合について
世界の女性議員の割合は、どのようになっているのでしょうか?
世界全体で女性議員が占める割合は、年代が進むごとに大きく増えました。
1995年…11.3%
2019年…24.3%
世界の割合に比べると、日本はまだまだ女性の割合は少ないと言えます。
国会議員の数の国際比較をした調査によると、日本は世界の中で165位という低い順位になっています。
日本の女性議員の割合は世界の中で165位
これは先進国の中で、もっとも低い結果となっています。
フランス…39.5%(26位)
イタリア…35.7%(36位)
アメリカ…23.4%(82位)
日本は世界と比べて、政治の意思決定の場に、女性の数がまだ少ないと言える状況です。
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国会議員の女性の割合が低いのをどう考える?
日本の政治はおじさんたちの独壇場で、相変わらず古い体制が続いています。
世界には若いリーダーが次々と誕生しているのに、日本はおじさんばかりです。
若い人や女性がもっと政治の場に入った方が、長い目で見れば良いと思います。
古い体制に風穴を空ける、優秀な人が出てくるのを期待したいところです。
女性議員の数を増やす方向に舵を切ることはとても良いことだと思います。
ある程度強制力を持って、無理やり引き上げるのも1つの手かもしれません。
ただし政治は結果なので、結果を出すことが何よりも優先事項です。
男性とか女性といった性別を問うのではなく、質を問うべきだと思います。
そもそも女性の国会議員でなければ、女性の意見を吸い上げられないのでしょうか?
国会議員が男性だろうと女性だろうと、女性の意見を反映させることはできます。
国会議員を決めるのは国民であり、投票権は女性も等しく所持しています。
意思決定の場に女性がいた方が好ましいですが、それは必ずしも必須ではないと思います。
女性議員の数が少ないのは事実で、増やした方が良いという意見には賛成です。
でもだからといって、そこまで問題とは思わないのが、個人的な意見です。
民意を吸い上げて政治に反映させていくのは、男性も女性も同じです。
意思決定する人が女性でなければならない理由は、あまりないように思います。
女性が少ないのは企業の意思決定の場も同じ
女性が少ないのは、政治に限らず企業の意思決定の場でも同じです。
企業の取締役会などでも、ほとんどが男性で占めています。
女性向けの商品を展開している企業でも、男性が圧倒的に多かったりします。
女性の活躍が叫ばれる時代ですが、なかなか変わっていないのが実態です。
全上場企業における役員の女性割合は、令和元年で5.2%となっています。
企業の役員が占める女性の割合は5.2%(令和元年)
※出典は男女共同参画局
女性の社会進出やキャリア志向の人は、もはや決して珍しくはありません。
女性の割合は大きく増えましたが、それでもまだ多くはありません。
ただ、意思決定者が男性か女性かというのは、それほど問うべきだとも思いません。
男性だろうと女性だろうと、結果にコミットするのが何よりも大切です。
女性は意思決定ができない立場に置かれているのか?
意思決定の場に女性がいないのは、考えが偏る可能性があります。
理想を言えば男女等しくいることが、もっとも正しいあり方だと思います。
ただ女性の数が少ないというのは、女性の意見が正しく反映されていないのでしょうか?
わたしはそんなことは、まったくないように思います。
政治家は国民の投票によって決められています。
女性にもちゃんと選挙権があるので、意見を反映させることができます。
選挙によって決められるのが国会議員なので、そこに男性も女性もありません。
女性の候補者が良いと思ったら、自然と投票するのではないでしょうか?
女性は家庭ではちゃんと意見を通している?
政治や企業の場において、女性の意思決定者が少ないのは事実です。
ところが家庭において意思決定の力があるのは、圧倒的に女性が多かったりします。
役職を担わなくても、女性はちゃんと意見をして反映させています。
意思決定の場にいなくても、ちゃんとうまくやっている人は多いのです。
優秀な女性は国会議員をやりたいと思うのか?
ビジネスの現場には、優秀な女性が山のようにいます。
男性だからとか女性だからといったことではなく、仕事ができるからです。
彼女たちは果たして、国会議員をやりたいと思うでしょうか?
国会議員に魅力を感じる人は、そもそもどれくらいいるのでしょうか?
女性議員の数を議論するよりも、なり手が少ないことの方が問題だと思います。
優秀な人が政治の世界に行かなければ、なかなか良い方向には進まないと思います。
政治は男女ではなく結果を問われるべき
国会議員の男女の割合は、あくまで数字に過ぎません。
男性女性は関係なく、結果を出す政治を行うのが何よりも一番だと思います。
大きな活躍をする女性が出てくれば、自ずと増えていくのではないでしょうか?
きちんと結果を出す優秀な女性議員が出てくることを、期待したいと思います。