社会問題

明石市の新条例 養育費「泣き寝入り」救済、氏名公表で子どもは救われる?

19年10月4日に放送の「バイキング」が、面白い特集をしていました。

養育費を支払わない場合、氏名を公表するという全国初の条例制定を明石市が検討している、といったものです。

 

朝日新聞の記事はこちら

 

明石市の泉市長は、以前、部下を恫喝する音声デープが流出しました。

「火つけてこい」と声を荒げる様子が、ワイドショーで連日取り上げられたことを記憶している人も多いと思います。

責任を取って辞職し、その後、市長選に出て再当選を果たします。

 

行動力に定評のある泉市長が打ち出したのが、今回の条例です。

この取り組みは、果たして吉と出るのでしょうか?

養育費をもらっていない人はどれくらいいるのか?

厚生労働省は「平成28年全国ひとり親世帯等調査結果報告」を公表しています。

母子家庭の養育費の受給状況は以下のとおりです。

出典:平成28年度全国ひとり親世帯等調査結果

まとめると以下のとおりです。

<母子家庭の養育費の状況>

現在も受給している           ⇒24.3%

養育費を受けたことがある   ⇒15.5%

養育費を受けたことがない   ⇒56.0%

不詳                               ⇒4.2%

また父子家庭の養育費の受給状況は以下のとおりです。

出典:平成28年度全国ひとり親世帯等調査結果

まとめると以下のとおりです。

<父子家庭の養育費の状況>

現在も受給している           ⇒3.2%

養育費を受けたことがある   ⇒4.9%

養育費を受けたことがない   ⇒86.0%

不詳                               ⇒5.8%

養育費を受けたことがあるという項目は、最初は受けていたけれど途中でなくなった、つまり、相手が支払いをあきらめた、放棄した、という解釈で良いと思います。

 

これは両者がきちんと話し合いをして、取り決めたものです。

しかし実際には、半数以上は支払っていない状況なのです。

 

わたしはこの数字を見て、少しショックを受けました。

思っている以上に、養育費はきちんと支払われていないのです。

養育費の支払いには、さまざまな問題があることが分かります。

養育費を支払わない人の理由は?

養育費を支払わない人の理由はさまざまです。

・新しい恋人、家族ができて、お金がない。

・働く先が見つからず、お金がない。

・子どもに愛情が薄れて、支払う気がない。

この場合、支払えるのに支払わない人と、本当にお金がなくて支払えない人など、さまざまな事例を考える必要があると思います。

明石市の条例は、多くの手続きを踏んでそれでも支払うつもりがない人に対する措置であり、氏名公表までにはいくつも段階があります。

養育費の支払い拒否に罰則は?

養育費の不払いについて、現在のところ明確な罰則規定はありません。

つまり、受給側が泣き寝入りするしかない状況と言えるのです。

音信不通になったり、支払いを放棄して逃げ出してしまう例などがあります。

明石市の取り組みは、この現状を打破する意味合いもあるのです。

 

名前が公表されればどれくらい支払いに応じるのか、その効果は分かりません。

罰則がないまま逃げ得になっているのは、やはり健全とは言えない状況です。

公表されたときの子どもへの影響は?

名前が公表されるときに懸念されることとして、子どもへの影響があります。

親が養育費を支払っていないことを世間にさらされたときに、ネットによる風評被害が、果たして本当に子どもに及ばないのか?

 

養育費は大人の問題であって、子どもに罪はありません。

しかし反対意見を出す人も、子どもに何か影響がないか、心配する声があります。

ネットの風評被害が、子どもに及ばないかという心配が多数上げられていました。

養育費の不払い 世界の罰則は?

養育費の不払いに対する罰則は、世界を見るとさまざまなものがあります。

アメリカ   滞納者には運転免許停止

スウェーデン 養育費補助制度により国が立て替え

フランス   国の機関が養育費の取り立てを行う

イギリス   給与から強制的に天引き 最長6週間収監

世界の国々では、それぞれ罰則を規定しているのです。

どれくらい効果があるのか、本当にその罰則は有効なのか、議論の分かれるところです。

日本は養育費の不払いについて、とてもゆるい状況が見て取れます。

困っている人が多い状況の中で、何かしら取り入れるのは一考の余地があると思います。

養育費不払い SNSの反応は?

ツイッターにはさまざまな意見が投稿されています。

この件は、多くの人が高い関心を寄せていて、たくさんのツイートがありました。

興味のある人は、ツイッターで検索してご覧ください。

養育費をもらえなかった、をなくす先例になるか?

明石市の取り組みは、とても良いことだと思います。

人権派弁護士であり、行動力に定評のある泉市長が「思い入れ深い政策」と言っているように、養育費をもらえずに困っている弱者に寄り添う制度です。

養育費をきちんと支払う人が増えれば、とても良いことです。

 

名前の公表については、良いのかダメなのか、議論が分かれるところです。

しかしいずれにせよ、何かしら罰則は必ず必要だと思います。

わたしはこの取り組みについて、応援したいと思います。

 

2019年10月4日の「バイキング」は、とても面白い特集でした。

番組ではさまざまな角度から深堀りしていて、本記事よりさらに詳しいので、興味のある人は動画を見ていただければ幸いです。