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映画批評

【感想】映画『新聞記者』は良作!政府のタブーやもみ消しに切り込む!

映画『新聞記者』は、非常に見応えのある良作でした。

2時間という長丁場を、飽きずに見続けられる映画はそれほど多くありません。

これほど政治に深く入り込んだ映画は、いままでありませんでした。

政治の闇に切り込んでいく映画としては、画期的な作品だと思います。

 

この映画は公開される前、あまり大きな露出がありませんでした。

松坂桃李や本田翼など、有名俳優が出演しているにも関わらず、取り上げるメディアは非常に少なかったです。

政府の闇に切り込む内容だけに、報道規制があったのかもしれません。

映画『新聞記者』について思ったこと、感じたことをお伝えしたいと思います。

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映画『新聞記者』のあらすじ

映画『新聞記者』のあらすじは以下となります。

東都新聞記者・吉岡(シム・ウンギョン)のもとに、大学新設計画に関する極秘情報が匿名FAXで届いた。

日本人の父と韓国人の母のもとアメリカで育ち、ある思いを秘めて日本の新聞社で働いている彼女は、真相を究明すべく調査をはじめる。

一方、内閣情報調査室官僚・杉原(松坂桃李)は葛藤していた。

「国民に尽くす」という信念とは裏腹に、与えられた任務は現政権に不都合なニュースのコントロール。愛する妻の出産が迫ったある日彼は、久々に尊敬する昔の上司・神崎と再会するのだが、その数日後、神崎はビルの屋上から身を投げてしまう。

真実に迫ろうともがく若き新聞記者。

「闇」の存在に気付き、選択を迫られるエリート官僚。

二人の人生が交差するとき、衝撃の事実が明らかになる!

現在進行形のさまざまな問題をダイレクトに射抜く、これまでの日本映画にない新たな社会派エンタテインメント!あなたは、この映画を、信じられるか──

引用:新聞記者HPより

映画『新聞記者』のキャスト、スタッフについて

映画『新聞記者』のキャスト、スタッフ情報です。

役・出演

吉岡エリカ:シム・ウンギョン

杉原拓海:松坂桃李

杉原奈津美:本田翼

倉持大輔:岡山天音

関戸保:郭智博

河合真人:長田成哉

神崎千佳:宮野陽名

都筑亮一:高橋努

神崎伸子:西田尚美

神崎俊尚:高橋和也

陣野和正:北村有起哉

多田智也:田中哲司

監督

監督:藤井道人

<シネマグラフィー>

嘘つきの恋(2017年)

光と血(2017年)

悪魔(2018年)

青の帰り道(2018年)

デイアンドナイト(2019年)

原作

2017年10月に角川新書から『新聞記者』が出版されました。

東京新聞の社員である、望月衣塑子さんが書いた著作となります。

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映画『新聞記者』の感想、レビューについて

映画『新聞記者』は、とても挑戦的な内容でした。

政治のタブーに正面から切り込んだ、重厚な社会派ドラマになっています。

政治に少しでも興味のある人は、ものすごく楽しめる内容になっています。

闇を暴いていく展開はとてもスリリングで、非常に見応えがあります。

 

国家権力に立ち向かうということは、ものすごく勇気のいることだと思います。

日本という平和な国にいて、なぜ危険な方向に突き進んでいくのか?

わたしには理解ができないし、正義感を捨てておとなしくした方がいいと思ってしまいます。

知ってしまった以上、正義感に突き動かされるのが、新聞記者なのかもしれません。

見どころ1 内閣情報調査室の実態

この映画には、内調(内閣情報調査室)という組織が出てきます。

内調という組織はあまり表に出ませんが、実際に存在する組織です。

主人公はエリート官僚で、外務省からの出向により内調に所属している。

内調の仕事について、映画では薄暗い部屋の中、異様な雰囲気で描かれています。

 

まるで闇の世界で暗躍するスパイのような描き方です。

本当のところはどうか分かりませんが、エンタメとしてはとても楽しめました。

主人公の上司が放ったセリフは、とても印象深いものがありました。

「この国の民主主義は形だけでいいんだ!」

見どころ2 主人公への見えない圧力

松坂桃李演じる杉原に対する、上司の振る舞いはいちいち怖いです。

子どもが生まれることを急に問いかけたり、出産祝いを差し出したり、何気ない会話の中にいろんな意味が含まれています。

官僚は頭がいいので、こんな風に腹の内を探るのか、と納得させられます。

表沙汰にならない圧力というのは、かくも恐ろしいものかと実感させられるのです。

見どころ3 現実を想起させる出来事

この映画はあくまでフィクションという触れ込みですが、実際に起きた出来事を想起させる内容がたくさん出てきます。

・政府関係者によるレイプ事件を女性が顔出しで訴える

・大学新設にまつわる憶測

かなりあからさまなので、果たして本当に良いのかと思いますが、エンタメとしてはとても面白いです。

見どころ4 物議をかもすラスト

ラストはビックリするくらい唐突に終わります。

話の流れからすればこのあとに起きることは、悲劇の連続のように感じます。

かなりのことをやったので、普通の制裁ですむはずがありません。

あるいは家族に何かが起きるのかもしれません。

 

この終わり方は、あとは観客に委ねるという意味なのだと思われます。

わたしが映画『新聞記者』にあまり賛同できない理由

映画『新聞記者』は、エンタメとしてはほぼ満点の出来です。

国家にまつわる闇の部分が描かれていて、すごく面白い作品に仕上がっています。

政治の闇をあぶり出す、という意味では面白い題材だけど、だからと言って、わたしは新聞記者や官僚を擁護するつもりはありません。

この映画はあくまで、新聞記者や官僚目線で見た、国家や政治の闇に過ぎません。

 

これはあくまで個人的な意見ですが、政治家よりも新聞記者や官僚の方が、もっとひどいことをしていると感じています。

政治家は表に立っている分、まだきちんと振る舞っているように思うのです。

記者会見で、政治家と新聞記者がやりあっている様子を見ても、マスコミの方に問題があると感じる部分は少なからずあります。

新聞の誤報やミスリードなど、正直言って目に余るものが多いのも事実なのです。

 

映画では、闇を暴く敏腕の新聞記者として描かれていますが、実際に新聞記者がやっていることは、果たしてそれが正義なのか、足を引っ張っていることに終止していないか、と感じることがとても多いです。

 

官僚についてもわたしの考えは同じです。

官僚は、空気を読むこと、政治家の意向を汲むことに関しては、とてつもない能力を発揮しますが、一方で政治家がノーと言えないように、仕向けているという側面があるように思います。

政治家の考えがコロコロと変わったり、意味不明のタイミングで増税が取り沙汰されるのは、官僚にいろいろと吹き込まれている面は大きいと思うのです。

 

官僚は本来政治家の部下に当たる人です。

形の上では、政治家がリーダーシップを取って指揮していかなければなりません。

ところが実務は官僚でなければできません。

政治家が変わってもいくらでも回っていきますが、実務を担っている官僚がいなければ、日本は回っていかないのです。

 

政治家がいかに官僚とうまく付き合うのか、国をうまく回す上ですごく重要なポイントです。

ただ仲良くしているだけでは、政治家は官僚の言いなりになってしまいます。

官僚の考えを見通して、きちんと正していけるのか?

政治家は見えないところで、いろいろと重責を担っていると思うのです。

映画『新聞記者』を動画で観るには

映画『新聞記者』は以下の方法で見ることができます。

DVD、ブルーレイ

映画『新聞記者』はDVDやブルーレイなどで見ることができます。


手元に持っておきたい人はこちらがおすすめです。

U-NEXT

映画『新聞記者』はU-NEXTで動画配信されています。

U-NEXTの場合、月額1,990円の会員になれば、この映画を観ることができます。

初月はお試し期間として、31日間無料で視聴できるのでおすすめです。

映画『新聞記者』の全体評価について

映画『新聞記者』は、いろんなことを考えさせられる作品です。

この映画を見ると、政治に関するさまざまな危険や闇が浮き彫りになります。

ただ1つはっきりさせなければならないのは、この映画を見て、現政権や政治家はダメだと結びつけるのは、かなり短絡過ぎるように思います。

特にこの映画は、レイプ事件や大学新設問題など、現政権を匂わせる描写があちこちに散りばめられていて、政権批判の映画と捉えられる向きは大いにあります。

しかも映画を公開しているのは、参議院議員選挙が行われている最中なのです。

 

エンタメとしては面白いですが、この映画を称賛している人たちを見ていると、ほとんどが現政権に反対の人たちばかりです。

映画を政治利用しようとするのは、個人的には疑問を感じずにはいられません。

 

この映画は国家や政治の闇が描かれていますが、わたしはむしろ、新聞記者や官僚のほうが闇は深いと思っています。

いや、新聞記者や官僚が、カオスにさらに拍車をかけている、と言った方が正しいかもしれません。

映画のような、良心的な新聞記者や官僚もいるとは思いますが、それだけではありません。

むしろ、新聞記者や官僚のほうが裏で色々と汚いことをしている、と疑っていたりするのです。

政治家を批判するはいいですが、本当の正義はどちらなのか、冷静に見る目を養っておかないと、いろいろと見誤ってしまうことが多いと思うのです。

 

個人的には、政治家と官僚がいかに裏でバチバチとやりあっているのか、それを映画にした方が面白いと思います。

誰か、政治家目線で、映画を作ってもらえないでしょうか?

 

映画『新聞記者』という重厚なエンタメ作品を作り上げた製作者たちには、大きな拍手を送りたいと思います。

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