『天気の子』は『君の名は。』を上回る、壮大なスケールの物語でした。
『君の名は。』が空前の大ヒットを記録し、嫌が上にもプレッシャーのかかる状況だったと思いますが、それを跳ねのけてなおかつ攻めの姿勢を崩さない、素晴らしい作品です。
個人的には、君の名は>天気の子、という評価ですが、それでも文句なしのクオリティです。
深海監督の質の高いアニメが鑑賞できるのは、心から幸せに感じます。
日本のアニメのクオリティは、世界と比べても圧倒的に優れています。
そして深海監督は、間違いなくそのトップを走っている人です。
見終わって早々、次の作品を観てみたい、という焦燥に駆られています。
間違いなく、次の作品が待ち遠しいと感じる、屈指の監督の1人なのです。
映画『天気の子』の感想、レビューについてお伝えします。
目次
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映画『天気の子』のあらすじ
<あらすじ>
「あの光の中に、行ってみたかった」
高1の夏。離島から家出し、東京にやってきた帆高。
しかし生活はすぐに困窮し、孤独な日々の果てにようやく見つけた仕事は、怪しげなオカルト雑誌のライター業だった。
彼のこれからを示唆するかのように、連日降り続ける雨。
そんな中、雑踏ひしめく都会の片隅で、帆高は一人の少女に出会う。
ある事情を抱え、弟とふたりで明るくたくましく暮らすその少女・陽菜。
彼女には、不思議な能力があった。
引用:天気の子 公式HPより
映画『天気の子』キャスト、監督、音楽
映画『天気の子』は、豪華な人たちが名前を連ねています。
キャスト
醍醐虎汰朗
森七菜
本田翼
吉柳咲良
平泉成
梶裕貴
倍賞千恵子
小栗旬
原作・脚本・監督
新海誠
<フィルモグラフィー>
2002年 ほしのこえ
2004年 雲の向こう、約束の場所
2007年 秒速5センチメートル
2011年 星を追う子ども
2013年 言の葉の庭
2016年 君の名は。
2019年 天気の子
音楽
RADWIMPS『愛にできることはまだあるかい』
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映画『天気の子』の感想、レビュー
『天気の子』はアニメの体裁を取っていますが、実際は大人のファンタジーだと思います。
細田守監督の作品にも言えることですが、かなり中身がしっかりとしています。
大人が観るのはちょうどいいですが、子どもや学生は理解できない部分もあるのではないでしょうか?
『君の名は。』と比べても、『天気の子』は少し難しいように感じました。
冒頭を観たときに、この物語を一体どのように膨らましていくのか、まったく想像ができませんでした。
天気という限定された題材で、いかにエンタメ作品を作り上げるのでしょう?
予告編を見ても、いま1つどんな物語かハッキリと分かりません。
すごく面白いかもしれないし、もしかしたら大コケするかもしれない・・・、期待と不安が入り混じりながら鑑賞しました。
しかし、そこは新海監督の真骨頂で、良質なファンタジーに仕上がっていました。
物語は軽快に進んでいき、あらぬ方向へと進んでいって、いい意味で裏切られていきます。
絵の美しさはもはや説明するまでもありません。
『君の名は。』のときよりも、数段上回る美しい描写が目を引きます。
池袋や新宿など、東京の町並みが忠実に描かれているのです。
新海監督の作り込みは、本当にハンパなくすごいです。
このクオリティを完成させるのに、どれほどの手がかかっているのか、想像しただけでゾッとします。
エンドクレジットには、途方もない数の人が名前を連ねています。
これほど細部まできちんと描くアニメ作家は、他にいません。
映画ではずっと雨の描写が続くのですが、偶然にも最近のジメジメした梅雨の天気がリンクしていて、非常に面白いです。
映画公開時、何日も連続で雨の日が続き、真夏日がまったくないという異常気象を記録していました。
まるで『天気の子』に合わせているかのようです。
『天気の子』は恋愛要素も含まれていて、後半は『君の名は。』に重なる部分もいくつかありました。
ストーリー展開はけっこうハチャメチャだったように思いますが、それを打ち消してしまうほどの美しい絵に、つい見とれてしまいます。
およそ2時間、最後まで飽きることなく楽しむことができます。
RADWIMPSによる音楽のこだわりなどは、完全に新海ワールドそのものです。
恋愛要素も含まれており、後半は『君の名は。』に重なる部分もいくつかありました。
後半のスケール大きい美しい絵は、単純に鑑賞するだけで十分に価値があります。
映画『天気の子』と『君の名は。』を比べると・・・
個人的には、君の名は。>天気の子、という感じです。
『天気の子』は、少し感情移入がしにくいように感じました。
主人公がなぜ家出をしたのか、ことの成り行きが分からなかったし、須賀圭介というおじさんが、仕事を探しているのか?と、声を掛けた意図も、はっきりと分かりません。
『君の名は。』の入れ替わるという話は、割とすんなり受け入れられたのですが、『天気の子』はところどころで、疑問を感じた部分がありました。
あと個人的な注文をつけると、少しセリフが多いように感じました。
素晴らしい絵と素晴らしい音楽があるのだから、もっとセリフを減らしてシンプルにした方が絶対に完成度が上がる、と個人的に感じています。
全体的に情報量が非常に多いので、もう少し削った方がいいのでは?と思いました。
しかし、これらはささいなことに過ぎません。
完成度は圧倒的なので、観て良かったと素直に思える作品です。
映画『天気の子』は素晴らしい会心作!
『君の名は。』の大ヒットで、新海監督はとてつもないプレッシャーにさらされたでしょう。
しかし期待を裏切ることなく、良質な作品に仕上げてきました。
このクオリティの映画を見られるのは、本当に素晴らしいことです。
新海監督の作り込みは、本当にハンパなくすごいです。
このクオリティを完成させるのに、どれほどの手がかかっているのか、想像しただけでゾッとします。
エンドクレジットには、途方に数の人が名前を連ねています。
これほど細部まできちんと描くアニメ作家は、他にいません。
今回は公開初日に足を運びました。
新海監督は1番注目している映画監督なので、次も必ず劇場で観賞しようと思います。