国会議員はたびたびニュースを騒がせては、大きな問題へと発展したりしています。
騒動が大きくなっていく中で巻き起こるのは、「辞職するべきではないか?」ということです。
しかしたいていは辞職に応じることなく、そのまま議員を続けることを選びます。
目に余る行動が多くて辞めさせたいと思っても、簡単に辞めさせられないのが実態です。
国会議員は選挙で国民の審判を仰ぐということもあり、さまざまな特権に守られています。
国会議員の権利は最大限尊重されるべきですが、一方で本当に責任を果たしているかという疑問もあります。
国会議員を辞めさせたいと思った場合、どんな手続きが必要になるのでしょうか?
国会議員を強制的に辞めさせるというのは、果たしてどれくらい難しいのでしょうか?
目次
スポンサーリンク
国会議員を辞めさせる方法について
国会議員は選挙によって選出されていて、国民の代表としての立場にあるので、簡単に辞めさせることはできません。
方法としては、けん責決議、辞職勧告決議、糾弾決議、除名処分、などがあります。
・けん責決議
・辞職勧告決議
・糾弾決議
・除名処分
けん責<辞職勧告<糾弾<除名処分、の順番で重くなっていきます。
けん責決議
けん責決議案は、問題発言をした者に対して厳重注意をして反省させて、始末書を書かせて戒めるために議会で採決をする、という議案のことです。
けん責は、懲戒処分の中で、もっとも軽い処分となります。
最近では、丸山穂高議員がけん責決議案を受けています。
>NHK政治マガジン 丸山議員のけん責決議案提出 自公 「許されぬが…」
辞職勧告決議
辞職勧告決議は、国会議員を辞職させるために行われる決議のことです。
ただしこれには法的拘束力がないため、本人が従わなければ意味を成しません。
2002年に、鈴木宗男氏に対して、辞職勧告決議が国会で可決されました。
>議員鈴木宗男君の議員辞職勧告に関する決議案(第一五四回国会、決議第三号)
しかしこのとき鈴木宗男氏は辞職を拒否し、衆議院解散まで約1年4ヶ月間議員を続けています。
糾弾決議
上記の2つよりもさらに強い、糾弾決議というものもあります。
こちらも辞職を求める内容ですが、辞職勧告決議と同じで法的拘束力はありません。
前述の丸山穂高議員は、のちに「けん責」から「糾弾」に変わりました。
糾弾決議は可決されましたが、丸山議員は辞職を拒否しています。
>毎日新聞 丸山穂高議員、「けん責」から「糾弾」 何が変わったの?
除名処分
これでも応じない場合、最終手段として、国会による除名処分、となります。
現憲法下で国会議員が除名処分の事例は、たった2つしかありません。
1950年 小川友三参院議員(無所属)
1951年 川上貫一衆院議員(共産)
ここまで来てようやく、国会議員を強制的に辞めさせることができます。
ただし、除名処分後に選挙に立候補して当選すると、また国会議員になることができます。
除名処分を受けても選挙で当選すれば、また国会議員になることができる
国会議員は国会期間中は逮捕されない?
国会議員は国民の代表として選出されていて、権利が厚く守られています。
自分から辞めると言い出さない限り、外から辞めさせるのは非常に難しいのが実態です。
国会議員は例え犯罪を犯しても、国会期間中は逮捕されることはありません。(日本国憲法第50条)
たとえ国会が開かれる前に逮捕しても、国会期間中に国会から要求があった場合、釈放しなければならないのです。
ほかには、選挙で落とすか、総理が解散するか、といったことくらいです。
国会議員は不祥事や問題が発生したとき、ほとんどの人が居座るという選択を取ります。
自由な議論を保障する意味において、国会議員の権利はしっかりと守られて然るべきですが、本当に必要なのか?と感じることも事実です。
選挙を勝ち抜くのは大変難しくて、挑戦するだけすごいと思いますが、なってしまうと緩んでしまう人も多いように思います。
国会議員になってからが本番なので、しっかりと締めて欲しい願うばかりです。
スポンサーリンク
国会議員の権利と国益について
現行のルールでは、国会議員の権利は非常に厚く守られています。
国会議員は最大限尊重されて然るべきですが、一方で国益が損なわれていると感じることが多いのも事実です。
問題を起こして雲隠れする議員や、任期満了まで時間を稼いでいる議員など、あからさまな態度を取る人に、制裁は加えられないのでしょうか?
選挙という制度は決して否定しませんが、選挙に依存しすぎる現行の制度も、かなり問題があるように思います。
国会議員の権利も大事ですが、一体いつになったらネット投票は実現するのでしょうか?
普通に考えて早く導入した方が良いのは、改めて言うまでもないと思います。
国会議員が自分たちの権利を守ることに躍起になっていて、国益のことを考えているようには感じません。
自分たちの保身やメリットばかりでなく、国益を第一に考えて取り組んで欲しいと思います。
国会議員は説明責任をきちんと果たしているのか?
国会議員は国民の代表として活動しているので、説明責任は果たすべきだと思います。
辞職してしかるべき内容のことをしていても、本人はまったく気にしていない…。
周りが勧告をしても、まったく聞く耳を持たない…。
国会議員は税金で給料が支払われているのだから、活動内容を問われるのは当然です。
国会議員はきちんと説明責任を果たさなければ、たちまち信用を失います。
ルールとしては問題ないかもしれませんが、道徳や倫理を問われることになりかねません。
頭は良くても素行がイマイチで誠実さがない…、そんな人がとても多いと思います。
ルールは自分を守るために使うのではなく、もっと前向きな態度で使って欲しいです。
国会議員の資質を見抜けなかった有権者が悪い?
国会議員が騒動を起こすと、マスコミが必ず言うことがあります。
選挙で選んだのは国民なのだから国民にも責任の一端はある、ということです。
日本は民主主義の世界なのだから、イヤならば選挙で落とせばいい。
わたしたちが選挙で選んだ以上、選んだ側にも責任がある、ということです。
ただ、これほど空虚に消えていく、虚しい言葉はありません。
民主主義の原理原則を用いて言っていると思いますが、結局は誰の心にも響きません。
直接投票した人ならまだしも、ほとんどの人にとって、見ず知らずの国会議員です。
責任の一端があるなんて大上段から言われても、そんなこと知ったことではありません。
大多数の人にとって、言ってしまえばほとんど関係のない話です。
お灸を据える方法がほかに無いため、どうにもできないのです。
にも関わらず議員の座に居座ろうとするから、バッシングが巻き起こるのではないでしょうか?
あえてできることと言えば、次の選挙で二度と通さないという方法しかありません。
やがて国会議員は権力に居座りながら雲隠れする
騒動が大きくなると、国会議員はたいてい雲隠れして姿を現さなくなります。
時間が経てば収まると考えているのか、表に出てくることはありません。
ただし説明がないままだと、火種はますます強まるばかりです。
進展のないまま空虚に過ぎていく時間は、国家にとって大きな損失です。
疑惑が持たれている間も、国会議員には給料が支払われています。
議員としての特権を享受しているのです。
このお金が税金であることを考えると、すごく悲しい気持ちになります。
時間を稼いで収束させるというのは、前向きな解決方法ではないので、非常に残念です。
鋼の意志は外交や交渉の場で使って欲しい
政治家の鋼の意志は、ワイドショーを賑わすのではなく、外交や交渉の場で力を発揮して欲しいです。
国益を損なうような発言をして問題となり、いつまでもしがみついていれば、悪者扱いされるのも無理はありません。
国会議員は国を代表する権力者なので、その権力をいい方向に使って欲しいものです。
願わくば、国会議員の人たちにきちんと仕事をして欲しい、と思う次第です。