映画『長いお別れ』は、家族を描いた素晴らしい作品でした。
中野量太監督は前作『湯を沸かすほどの熱い愛』があまりに素晴らしかったので(この映画は本当に傑作です!)本作もすごく期待が高まっていたのですが、期待を裏切らない見事な出来栄えでした。
数ある家族映画の中でも、屈指の完成度を誇る素晴らしい作品です。
蒼井優、竹内結子、山﨑努、松原智恵子、という豪華俳優陣も見どころの1つです。
中野量太監督は、今後も期待が高まる注目の映画監督です。
映画『長いお別れ』を観た感想についてお伝えします。
スポンサーリンク
映画『長いお別れ』の概要
映画『長いお別れ』の詳細は以下のとおりです。
あらすじ
父の70歳の誕生日。
久しぶりに帰省した娘たちに母から告げられたのは、厳格な父が認知症になったという事実だった。
それぞれの人生の岐路に立たされている姉妹は、思いもよらない出来事の連続に驚きながらも、変わらない父の愛情に気付き前に進んでいく。
ゆっくり記憶を失っていく父との7年間の末に、家族が選んだ新しい未来とは?
引用:劇場パンフレットより
キャスト
東芙美:蒼井優
今村麻里:竹内結子
東曜子:松原智恵子
東昇平:山﨑努
今村新:北村有起哉
磐田道彦:中村倫也
今村崇:杉田雷麟
監督
中野量太
<フィルモグラフィー>
2000年 バンザイ人生まっ赤っ赤。
2006年 ロケットパンチを君に!
2007年 ウチの〇〇知りませんか?
2007年 お母チャンからの電話
2008年 水辺のお兄チャン
2009年 琥珀色のキラキラ
2013年 チチを撮りに
2013年 沈まない三つの家
2013年 お兄チャンは戦場行った!?
2016年 湯を沸かすほどの熱い愛
2019年 長いお別れ
原作、主題歌
原作は中島京子さんの著作です。
主題歌は優河「めぐる」です。
映画『長いお別れ』の感想、レビュー
※以下はネタバレを含みますのでご注意下さい。
映画『長いお別れ』は、社会問題になりつつある認知症がテーマの物語です。
親の介護という、誰の身にも起きる普遍的なことを、暖かい眼差しで描いています。
認知症の父親は、葬式で大声をあげてしまったり、突然どこかにいなくなってしまったり、いろいろと問題を起こします。
それに文句を言わず家族みんなで励ましながら、世話をしたり、いろんな場所に出掛けたり、奮闘する様子が描かれています。
介護の大変さはもちろんですが、娘たちもそれぞれ自身の悩みを抱えています。
蒼井優演じる東芙美は、カフェを開くという夢や恋愛がうまく行かずに悩んでいます。
竹内結子演じる今村麻里は、慣れない海外生活や、旦那と息子との関係があまり良くないことに気を揉んでいます。
今後、親の介護をどうするのか、娘2人がカフェで話し合うシーンは、とてもリアルです。
母親は明るく気丈に振る舞っていますが、裏では大変な思いをしています。
網膜剥離にかかってしまい、うつ伏せのまま過ごす様子などが描かれています。
一番大変な思いをしていると想像できますが、苦労している描写はあまりありません。
この物語で一番たくましいのは、母親なのかもしれません。
父親はもともと学校の先生で、校長先生まで務めた立派な人でした。
しつけや教育に人一倍厳しい、とても厳格な人柄だったのです。
父親のことをたしなめながらも、尊敬してやまない様子がすごく伝わってきます。
棘がなくて安心して見られる、素晴らしい作品です。
映画『長いお別れ』で、個人的に好きなシーンとして以下の3つがあります。
・誕生日には家族の習慣として必ず三角の帽子をかぶるというシーン
・父親が書いた「エリザベス」という漢字の当て字が出てくるシーン
・冒頭とラスト、父親が知らない女の子とメリーゴーランドに一緒に乗るシーン
中野監督は随所に伏線を張り巡らせていて、あとになって回収することが多いのです。
誰の視点で観るかによって、それぞれ感想も変わってくると思います。
認知症になっても寄り添ってくれる家族がいるというのは、率直に素晴らしいと感じました。
スポンサーリンク
映画『長いお別れ』の口コミ、評価について
映画『長いお別れ』は、ツイッター上でも口コミが多数寄せられています。
こんなにもゆっくり、じんわり涙が、出ることってそうそうないよなーって(*¨*)
たまには映画の感想です。#長いお別れ— haniwa┌|∵|┘ (@watoson_haru) July 10, 2019
#長いお別れ
色々考えさせられる作品だった。
観る年代で捉え方はかなり変わるのだろうな…。
介護を意識しないで観ると、家族の愛って良いなって感想。
家族ってなんだろうねぇ、夫婦ってなんだろうねぇ…。
認知症になっても寄り添っていたいって思えるのは、それまで寄り添ってもらえたからだろう pic.twitter.com/bGgVDWythh— ゆに・こ(呼び名は『ゆに』で) (@konbuyuniko) June 7, 2019
山崎努さん、松原智恵子さんの夫婦が最高過ぎて、2時間中1時間は視界がボヤけてました…画面から、愛が溢れてた。
『なつぞら』で雪次郎君が蘭子さんに伝えてた感想が蒼井優さんにしっくり来るなぁと。映画館で観れて良かった。#長いお別れ pic.twitter.com/BHhB9G1tLm— 高畠 麻奈/Takabatake Mana (@mana_724) June 12, 2019
映画「#長いお別れ」感想
泣く。けど悲しい映画だからではなく、人物が可愛らしくて素敵で、おかしくて、美しくて泣いてしまう。特にもう山崎努さん、松原智恵子さん素晴らし過ぎます。ほんと素敵。中野量太監督すごい。皆さま絶対見て欲しい。
生きていると色々あるけど、なんだか救われる映画。
— さかした (@sakashita_one) June 8, 2019
ああなんか。だめだ。
この前友だちと胸がいっぱいになると感想が書けないって話をしたばかりなんだけど、それです。
今はこのフライヤーが見られない。写真も撮り忘れちゃった。
とにかくとても、とても良かったです。これからもうひと仕事なんだけど大丈夫かなこれ。笑#長いお別れ pic.twitter.com/8Fr5VBALwy
— 大崎優花(おおさきゆうか) (@yuuka_87) June 17, 2019
映画『長いお別れ』はおすすめの家族映画!
映画『長いお別れ』は、ものすごくおすすめの映画です。
中野監督の家族の描き方は、非常に温かみがあって安心して見られます。
丹念な描写を積み重ねることで、良質な家族のドラマに仕上がっています。
130分間、飽きることなく鑑賞することができました。
劇場で見て本当に良かったと心から思える作品です。
まだ見ていない人は、是非ともご覧ください。